精巣では多くの細胞が盛んに細胞分裂をしていますが、
その途中でがんができて増殖してしまうこともあります。
これが精巣腫瘍で、片方または両方の精巣にがんができ、
精子の元になる細胞(胚細胞)から発生するがんがほとんどです。
発生頻度は10万人に1人程度で高くはないのですが、
小児や20代~30代の若い男性に多く、進行していても
抗がん剤がよく効くので、相当広範囲に転移していなければ
治る可能性の高いがんです。
家族に精巣腫瘍の人がいたり、乳幼児期に停留精巣
(精巣が陰嚢内に納まっていない)であったこと、
すでに片方の精巣に腫瘍があった人などでは、
精巣腫瘍になるリスクが高いとされています。
症状としては陰嚢にしこりができ、違和感が出てきますが、痛みはありません。
このため、進行するまで気付かないことの多いがんで、転移によって
初めて症状が出て精巣が原発巣であると診断されることもあります。
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