耳の下、ほっぺたの部分が大きく腫れあがる、子供がかかる病気・・・
そう聞くと、ほとんどの人が「おたふく風邪」を思い浮かべるでしょう
しかし、おたふく風邪は基本的に1回しか感染しない病気です。
これが何度も繰り返されるとなると、別の病気を疑う必要があります。
それが「反復性耳下腺炎」です。
おたふく風邪は「流行性耳下腺炎」と呼ばれます。
反復性耳下腺炎とおたふく風邪の違いはいくつかありますが、
最も大きいのは「繰り返すか繰り返さないか」と、
「人に感染するか感染しないか」です。
反復性耳下腺炎はその名の通り、繰り返し耳の下が腫れます。
ですが発熱することはなく、人にうつることもないので
学校を休ませる必要はありません。
また、片側のみ腫れることが多く、1日か2日で腫れが引くのが特徴です。
おたふく風邪は非常に感染力の強い病気で
そのため、おたふく風邪と診断されると回復するまで
1週間程度は学校の出席停止になります。
子供にとって1週間の欠席は長いものです。
勉強の遅れはもちろんのこと、クラスの話題についていけなくなり
コミュニケーションがうまくいかなくなったり、
それが原因で仲間はずれにされたりしてしまってはあまりにかわいそうです。
耳の下が腫れることを繰り返し、何回もおたふく風邪と
診断される時には、反復性耳下腺炎を疑い、学校を
休ませるかどうかの判断をしてあげると良いでしょう。
耳下腺が腫れてきたら、おたふく風邪の抗体検査を受けます。
結果が出るまで4~5日はかかるので、
その間は休ませる必要がありますが、反復性耳下腺炎であることが
分かればその後はほっぺたが腫れても心配せず登校させてあげられます。
反復性耳下腺炎なら、熱も出ませんし腫れもすぐに
引くのでそれほど困ることはありません。
しかしそうではなく、おたふく風邪の場合はかなりの高熱が出ることがあり、
またその熱のために頭痛や腹痛を起こすこともあります。
さらに、耳下腺の腫れは強い痛みを伴います。
口を開けるだけで痛むときもあるので、食事を取るのも大変になります。
おたふく風邪の原因はムンプスウイルスというウイルスに感染することです。
残念ながら、現在の医学ではこのムンプスウイルス自体を殺したり、
抑えることのできる薬は開発されていません。
耳下腺炎の根源的治療法というものはなく、
かかってしまった場合は症状に応じて、
それを和らげる対処療法を取るしかないのです。
熱が出るのはウイルスを殺そうとする体の免疫力の
働きの一種なのですが、あまりに熱が高く脳炎の可能性があったり、
ひどく苦しがるときは解熱剤を使って一時的に症状を緩和させてあげます。
基本的には氷枕や濡れタオルなどで冷やしてあげると良いでしょう。
耳下腺の腫れの痛みも同様に、腫れている部分を冷やしたり、
場合によっては痛み止めを服用させて楽にしてあげることが必要です。
特に小さい子供は痛みに弱く、眠れずに体力を消耗してしまうことがあるため、
医師の指示に従って適切な対処を取ってください。
おたふく風邪の腫れは1週間から長くても10日程度で引いていき
3日目くらいが腫れと熱のピークで、その後は徐々に収まります。
この間はしっかりと栄養・水分補給に心がけ、ゆっくり休ませてあげてください。
症状が重いようならきちんと医師に相談しましょう。
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